「本当はあしただったのですが」
きのうの午後2時ごろ、店にお電話がありました。本当はきょう3月17日に、お誕生日を祝われるはずだったご予定が、急きょかわられたという、お客さまでした。
「きょうのきょうなのですが、できますか」
「できればシフォンケーキで」「できればプーさんを」
「あとはマカロンを」
ブログをご覧になりながら、コルリをたずねてくださったようです。
当日のとびこみオーダーは、いただける時間がどれぐらいあるかが、大きなポイントになります。
「きょうであれば、何時でも」
では、あまり遅すぎないように、午後6時のお約束をしました。
やはり、プーさんでなくてはならないでしょうか。お誕生日の主役をおたずねすると、5歳になられるお嬢さまとのことでした。
「であれば、ぜったい『プーさん』でなければなりませんね」
急きょとはいえ、限られたとっておきのお誕生日の機会は、大人の方であれば、ご了承いただける部分もありますが、子どもさんには、イメージされた形を現わさねばなりません。
4時間あれば、シフォンもシートで焼けば、無理なく使えます。プーさんのフェイスをかたどるなら、シートのスポンジがベストです。小さな子どもさんにお作りするキャラクターケーキは、なるべく顔の形1つ、という体裁をさけています。子どもさんが、「『アンパンマン』を切らないで」と、ケーキをなかなかカットさせてくださらないという、エピソードをきいたことがあるからです。
ただきょうは、プーさんのパーツをマカロンでお作りしたりする余裕がないため、フェイスでGOすることにしました。
プーさんは黄色です。
フェイスの形であれば、外のクリームを黄色くしなければなりません。
プーさんは、卵を使うレモンクリームを使って仕上げることにしました。
店にはさまざまなかんきつがあります。
レモンクリームは、5歳なので、5種類、使いました。
これは、お客さまにはクイズですと、お伝えしたのですが、レモン、ライム、かぼす、すだち、そしてゆずを使ったというのが、正解です。
プーさんは、はちみつが好きなので、砂糖の部分に少しですが、はちみつも使っています。
プーさんの顔のパーツは、淡い黄色になったプーさんの肌にあわせて、淡いミルクショコラをテンパリングしました。
あとは、色のあいそうなマカロンをプレートがわりにメッセージを描き、ハートの赤いマカロンに、お名前を描きこみました。
赤はプーさんの洋服の色です。この色をハートのマカロンでポイントにすれば、プーさんらしくなるはず。
そして、マカロン屋のプーさんなので、小さな赤いマカロンを、実際のプーさんにはない、ほおの赤みにかざりました。
白い線描き入りのマカロン、小さな小さな白いマカロン、赤いマカロン。
外に飾ったぶどうたち。
実は全部5つずつ使っています。
メッセージ入りのマカロンは、フェイスを隠してしまうので、サイドにあしらいました。
シフォンは、ある黄色いフルーツを織り交ぜて焼きました。
これは、やはりクイズ、ひみつです。
おわかりになったかもしれません。
スポンジは4枚。
サンドには、グレープを使いました。そして、加熱していたりんごがとてもいい香りだったので、中央のサンド部に、入れました。
ピックアップのお客さま、お母さまには、プーさんが判別していただけたようです。
事情をお伝えすると「切らせてくれないかも」。
オーダー、ありがとうございます。
きのうでも、きょうでも、あすでも。
大好きなキャラクターとご一緒に。
スイーツがあってほしい機会に、コルリを思い出していただけましたら、ぜひともご相談くださいませ。