予報通り最低気温は2℃、この気温がまた、木の葉の色をかえています。
朝焼けが美しかったきょう日曜日の空は、真っ青にかわって、雲はひとつも、ありません。
「来年もお願いします」と、昨年の初冬に、コルリに写真絵はがきが届きました。はがきになっていた写真は、お作りしたトーマスのケーキを囲んだものでした。
そして1カ月ほど前、本当に「ことしもお願いします」と、オーダーがメールで、届きました。
「ことしはパーシーで」
オーダーは、東京から。ご家族で軽井沢へ旅行される折に、ご子息のお誕生日を祝われたいと、コルリをみつけてくださいました。きかんしゃトーマスが大好きなご子息は、小麦、卵、乳製品にアレルギーをお持ちになっています。
昨年は、米粉をベースにトーマスを作り、米粉と豆乳のスポンジに、豆乳ホイップという市販のクリームをたてて、ショートケーキをお作りしました。豆乳ホイップは、スーパーなどで手に入るものでしたので、一工夫させていただいて、軽井沢といえば、な、花豆をうらごしてペーストにし、白花豆の入ったクリームにアレンジしました。
ことしは、パーシー。緑色のきかんしゃとしか、存じませんでした。
プロフィルを調べてみると、トーマスの一番のなかよしで、トーマスと同じかそれ以上に、いたずら好きなのだとありました。
パーシーのモチーフはサブレでお作りして、ケーキ全体でパーシーを表現してみたくなりました。
ならば、緑の素材を使いながら、楽しくいたずらモードにしてみたいと思いました。
サブレの飾りのパーツは、オーダーをいただいてから試作を重ねて、食感、配合の違うサブレをあわせました。
緑のテーマは、こんどはえんどう豆をうらごしてペーストにしたサブレ、うぐいすきなこを入れたサブレ、抹茶を入れた生地として、パーシーやハートになっています。
「チョコレートは大丈夫」ということでしたが、昨年は見合わせたのですが、ことしは、線描きをチョコレートで、ハートのサブレも、チョコレートであわせて仕上げました。
土台のケーキは、ムース仕立てになっています。一番下の底生地は、米粉と豆乳の生地で、グリーンのぶどうを散りばめて焼きました。ムースは2層になっていて、中央に豆乳と白花豆の白いムースにマスカット、メロンのシロップを加えたほんのりグリーンのムースに洋梨を織り交ぜたものを包み込むようにアントルメにしました。グラサージュはもう少し薄い緑に、メロンのシロップで色付けした豆乳ベースのものです。
ムースは、豆乳ホイップを使っていますが、かなりゼリーに近い仕上がりになっています。この上に、3種類のみどりのぶどうをのせて、そう、やはり、パーシーは緑に赤い線がありますので、いちごも加えてのせました。
もしこわれたら、もし何かあったら、もし、と多めに作ったかざりのパーツは、ことしも、別添えにしてプレゼントさせていただきます。ケーキにのせなければ、お焼き菓子として、お持ち帰りができますし、お日持ちがするので、とっておくこともできます。
2つずつあるので、主役のご子息と、お兄さまご子息が、お分けになれると思います。
ピックアップにご来店されたオーダー主の主役ママさんは、つたない、でも精いっぱいお作りしたパーシーを、お受けくださいました。
「誕生日は、本当は11月なんです」
でも、ご旅行先で祝われるお誕生日は、格別の思い出として、残るはず。
親御さまのおはからいを知りました。
「またお願いします」
お召し上がりになる前に、そうお声をかけてくださったのも、お人柄からでしょう。
うれしい再会をかなえてくださり、さらにスイーツのリピートオーダーもいただき、光栄です。
「どうぞ温かくなさって、お風邪などを召されませんよう・・・」と、お応えするのが精いっぱいで、申し訳ございません。
快晴の週末をすごさせていただき、感謝申し上げます。