店休日をいただいた連休明けの週末が明け、すっかり静かな軽井沢ですが、ほのあたたかが残っています。空は、もういつ降ってもおかしくないような、そんなかんじの、空です。
3年前から、時折ご紹介しているコルリスイーツがあります。
フランスの高級AOCバター、ECHIREエシレを使ったスイーツです。
マカロン、レーズンサンド、サブレ、手焼きバウムクーヘン、熟成フルーツケーキが、特別なバターでできました。
休日のさいごの日に届いたメールは、エシレなコルリスイーツのお問い合わせでした。
「あすあさってで軽井沢へ行きます。エシレバターを使ったお菓子はありますか」
そして、軽井沢マカロン「エシレとトリュフのしおバニラ」のご予約をいただきました。
そのご予約のご返信メールに、さらにおひとことがありました。
「エシレバターでパイ生地のお菓子はできますか。できるようなら明後日に…」
お客さまのイメージは、リーフパイやパルミエのようでした。
エシレでパイ生地を仕込んだことはありません。
また、そういうこと以前に、パイ生地をいちから作り、次の日にパッケージまでしたお品物をお渡しする、ということは、難しいお話です。
このご希望には、お断りのお返事をしました。
でも、エシレのバターで、パイ生地ができました。
お作りするつもりはなかったのですが、マカロンとウィッチをお求めにご来店された、お客さまおふたりにお目にかかると、なぜかものすごく、お作りしたい気持ちになりました。
「どれぐらいのものができるか、わかりません」とお伝えすると、
「できたものを、できただけ、いただきます」と、お応えくださいました。
コルリなので、リーフパイは、大小さまざまな、鳥に抜いて焼いてみました。その落とした生地を使いながらできるのが、パルミエ。
小さなエシレのバターの塊を全部使ってできたのが、これだけです。
エシレなパイなコルリスイーツは、お客さまの軽井沢みやげにしていただけたようです。
まさかエシレでパイを作ることになるとは、思いもよりませんでした。
でも、お客さまに、作らせていただけるその機会を、いただきました。
ありがとうございます。
お客さまがまた、コルリを思い出して訪ねてくださらなければ、またお目にかかることはありません。
いつかまた、再会をさせていただければ、幸いです。