「待っていますよ」
帰宅を待っていたのは、1.5キロほどのあんずたちでした。
「梅もあるのよ」
毎年何にするか、ちょっと相談して、あとはもうおまかせの、この時季ならではの素材たちです。
我が家が昭和64年まで、庭のある一軒家だったころ、杏の木がありました。CHICAが生まれた年にいただいて植えた樹でした。
春の花は、桜より好きでしたし、実はそのままで食べておいしいものでした。昭和64年の収穫は杏酒になって、これは今でも、いまの我が家にあります(以前、実験お菓子に使ってしまって大ヒンシュクになった分だけ減っています)。
待っていたあんずを食べてみると、あまり味がしないものでした。
まるで瓜系のやさいのような、しゃきしゃきなものも。
信州のあんずも、まもなく収穫の最盛期です。
メッカの千曲では7~10種類の品種のあんずがあるとききます。
あんずたちは、マルメラータに。
今回は2種類にわけることにします。
ひとつはもう、お砂糖だけ。
まっさらにことしのふるさとのあんずを味わえるように。
もうひとつは、香りづけのお酒をプラスして仕上げようと思っています。
そして梅は2.3キロ。
ひとまずおへそをとりました。